毎年、マリンビジネスの最新情報を盛り込んだ内容でご好評をいただいております、マリン事業講演会ですが、平成21年度は下記のとおり実施しました。国土交通省大谷舟艇室長を皮切りに、中国の舟工会ともいえる中国船舶工業行業協会理事長、自然環境とマリンレジャー振興を主題とした琵琶湖のレジャー対策室長のお話、チャーターボートの可能性を探るオーシャンドリームの堅田氏、小名浜マリーナの清水専務による保管業務に留まらないマリーナビジネスの実践報告、日本釣振興会清宮専務理事から同協会が取り組む自然環境保護活動についてのお話まで、これまで以上の盛りだくさんのテーマで、「いろいろヒントになるお話しがあった、市場活性化、業界活性化のためにはまだまだやることがたくさんある」との感想が多く聞かれました。



●平成21年度マリン事業講演会
  • 開催日:平成21年1月16日(金)
  • 会 場:東京都千代田区(日本外国特派員協会内メディアルーム)
    〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目7-1 電気ビル北館20階
  • 参加者:約120名
【講演者/講演概要】
  1. 「舟艇の利用振興策と環境整備について」
    大谷 雅実 国土交通省 海事局 舶用工業課 舟艇室長
    マリンレジャーをめぐる現状は、ここ数年の大幅な参加人口の減少に加えて、世界的な景気の急速な後退により、きわめて厳しい状況にあります。少子高齢化のさらなる進行等、我が国の社会構造が今後大きく変化していく中、マリンレジャーの活性化のためにどのようなことをしていかなければならないか、市場動向の分析などを含めてお話しいただきました。
  2. 「中国の舟艇工業の現状 −新しいアジアの潮流―」
    楊 新發 中国船舶工業行業協会 船艇分会 理事長
    中国のボート工業はこの15年間で急速に発展し、現在FRP造船工場は全国で合計380社ある。その多くは、江蘇省、上海市、福建省、遼寧省、淅江省、広東省、山東省に集中している。さらにそのうち15%は外国からの技術を導入してOEMでボート生産をしており、技術も非常に高い。中国船舶工業行業協会 船艇分会 China Boat Industry & Trade Association(CBITA) はこれらを統合する団体で、会員数は98社。全体の1/4の会員数であるが、これは中国国家でFRPボート工場のライセンス制がとられており、ライセンスを取得した優良企業のみ会員として認めているためである。上海ボートショーは4月16〜19日開催の上海ボートショーは今年で14回になる。昨年は2万3千人来場した。中国ではそのほかの都市でもボートショーが開催されており合計15のボートショーがある。マリーナやクラブも建設が進んでおり、現在55のマリーナ、クラブがあり、九龍マリーナ&リゾートのように住居やゴルフ場などを含んだ大規模なリゾート施設も含まれている。中国には24,800の湖があり、また海岸線は18,000kmに及ぶ。その多くの場所で、マリーナやリゾートの建設が計画されている。中国はボート、ヨットの生産拠点として発展しているが、将来は大きな市場として成長すると期待される。生産、販売の両面で日本の皆さんとの協力関係を強めてゆきたいと期待している。
  3. 「琵琶湖の環境規制とマリンレジャーの振興」
    青木 幸一 滋賀県 琵琶湖環境部 琵琶湖レジャー対策室 室長
    滋賀県は、平成15年(2003年)から琵琶湖でのレジャー活動に関する規制条例を施行した。これは、レジャー活動の多様化や利用者の増大による、自然環境やその周辺への影響が無視できなくなったからだ。条例は (1)航行規制水域での航行禁止(2)従来型2サイクルエンジンの使用禁止(3)外来魚のノーリリース (4)地域の実態に応じたローカルルール を規定しています。 平成20年からエンジン規制が本格施行された琵琶湖の現状と課題を紹介した。
  4. 「マリンソフト+観光=新事業 チャーターヨット/ボート」
    堅田 寛 株式会社オーシャンドリーム 代表取締役
    キーワード:「所有からレンタル、観光から参加、遊休艇の活用、雇用創出」とし、海外では、2-3人乗りの小型ディンギーから、客船と見間違うほどの大型メガヨットまで、あらゆるタイプのチャーターヨット/ボートで多くの人たちが海を楽しんでいる。自ら船を所有していなくても、また操船ができなくても、チャーターヨット/ボートは海が好きなすべての人々に楽しむ機会を提供できる。周囲を海に囲まれた環境の割にはマリンレジャー人口、船舶数が今ひとつ伸び悩む日本で、新しいビジネスとしての可能性を考察した。
  5. 「マリーナを基地とした地域活性と普及活動」
    清水 司 小名浜マリーナ株式会社 専務取締役
    これからのマリーナビジネス(経営)はどこに視点をどこに置くのか。マリーナは保管業だけではなく、マリン総合ビジネスの発信基地という認識を持ち需要創造をいかに展開するか。一般市民の眺める海から親しむ海、遊ぶ海への窓口は我々マリーナではないか。一般市民の方々がマリーナの施設に親しみ、憩いの場としてのご利用が将来のマリンファン創造につながる。マリン総合ビジネスの発信基地としてのもうひとつの考え方は、ボート、ヨットオーナー様へのマリンアドバイザーとしての業務。マリン情報入手、発信、ハード、ソフト両面での情報発信の最先端はマリーナ!という姿の構築を目指す実例を紹介した。
  6. 「日本釣振興会の自然環境保護活動について」
    清宮 栄一 財団法人日本釣振興会 専務理事
    釣り人の視点からみた環境事業(副題:稚魚放流と水辺環境の維持・保全)とし、悪化する自然環境を憂い、豊かな自然を取り戻し、未来永劫釣りが出来る環境を残したいという財団法人日本釣振興会の設立主旨を今一度認識し、「魚族資源の保護増殖、釣り場環境の整備保全、釣りに関する知識の普及、釣りマナーの啓発に必要な事業を、釣り人及び釣りに関係する諸団体と連絡協調を図りつつ行い、釣りの健全な振興を図ることで社会に貢献する」という理念の具現化に向けた取り組みを紹介した。


賀詞交歓会にて、長谷川会長と談笑する中国の楊 新發 中国船舶工業行業協会 船艇分会 理事長
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