トップページ開催概要展示ガイド出展社一覧交通案内チケット情報
特別コラム:木村太郎のボートショー見て歩き

ニュースアナリストとして幅広く活躍する木村太郎さんは、実はベテランシーマン。海外駐在先であった中東時代のこと、“なるようになるさ”といった意味のアラブ語<まれし>が艇名になったという。いまも湘南でマリンライフを満喫する木村太郎さんが、皆様に贈るボートショーへのいざないを3回にわたってお届けします。

第2回 まずはボート免許を取って『キャプテン』になろう!
 3年前、米国のジョージア州沖のシーアイランドでサミット(主要国首脳会議)が開かれた時のことだ。
 会議はその名の通り「島」で行われたが、我々報道陣は島から100キロも離れたサバナのプレスセンターで、ビデオを通じて会議の様子を知るという隔靴掻痒の取材となった。
 そのプレスセンターは、サバナ市の中央を流れるサバナ川の中州にあり、通船にのって渡ることになるが、なにしろこちらは日夜が逆転している日本に中継放送をするわけだから、通船を利用するのは夜半すぎになる。
 他に乗客もいないことから、くり返し利用する内に通船の船長とすっかり顔馴染みになった。
 「接岸がうまいねぇ」
 「当たり前だよ、もうここで20年やっているんだから」
 その時船長が、シャツの両肩に黒地に四本金色のストライプの入った肩章をつけているのに気付いた。
 『それは?』
 「オレは免許を持ったキャプテンだぜ」
 『どういう資格の免許?』
 「50トンまでの旅客船を運転できるってヤツだよ」
 『それならボクだって20トンまでなら営業船を運転できる日本の免許を持っているよ』
 「あんたそれなら立派なキャプテンだ」
 以来、通船にのるたびに船長は「やあキャプテン」と挨拶してくれるようになったのだが、私もあの肩章が欲しくなった。
 帰国してインターネットで検索した結果、米国シアトルにLighthouse Uniformという海員専門の店があり、ネットで買って送ってもらった。ちなみに一組19ドル95セントだった。
 以来、夏は開衿シャツに、冬はセーターの肩につけてマリーナを徘徊しているのだが、なかなかいいものだ。
 海技免許は、それを持っていたからといってフネが動かせるわけでもないものを「お上」におしつけられ仕方なく取ったようにも思っていたのだが、それで「キャプテン」と尊敬されるようなことがあるなら悪くないと考えた。
 ボートショーでヨットなりパワーボートなりに興味を持つだろうが、まず免許を取ったらどうだろう。自分のフネがなくとも、船長の肩章をつけて友人のフネに乗りに行ったら、舵を譲ってくること請け合いだ。
 参考のために、肩章を買った店のURLを紹介しておこう。
 http://lighthouseuniform.com/
 肩章のことは英語でShoulder Boardsという。

©2007 Japan Boating Industry Association All rights Reserved.