一般社団法人 日本マリン事業協会

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モーターボートの乗り方

 

1.ボーティングのルールとマナー

●出航前のチェック
(1)出航前にその日の天気情報を十分確認しましょう。危険かなと思えるような状況でしたら、勇気をもって計画変更をしましょう。
(2)マリーナなどへの出港届けを忘れずに済ませましょう。また緊急時の連絡先もはっきり伝えておきましょう。
(3)ボートの状態をしっかりとチェックし、安全を確認しましょう。バッテリーの充電状況、燃料の充足、安全備品の格納確認など乗船前に必ず点検して下さい。
(4)ボートのエンジンは人間の体に例えれば心臓のようなものです。特に念入りに状態のチェックをして下さい。また古い燃料はエンジントラブルの原因になりやすいため、できるだけ新しい燃料を使いましょう。
(5)これからのシーマンは海という環境を守り育てる意識が必要です。海上でのゴミや空き缶は海に捨てずに、ゴミ袋を用意し必ず家庭まで持ち帰るようにして下さい。

●海のルールとマナー

 

 

 


(1)海上では危険と思われるところに入らないこと、また近づかないことです。
(2)海上での航行ルールを守ることはもちろん、地域ごとのルールにも注意して下さい。
(3)景色に見とれて脇見操縦する危険は車と同じです。くれぐれも飲酒操船はやめましょう。
(4)漁網や、養殖設備の所在を確かめ、漁業者に迷惑をかけないようにしましょう。
(5)岸の近くや、河川などでは曳き波に注意して走行しましょう。

2.出航前の点検とチェックポイント
 

 


●無理のない航海計画
・ボートの性能や自分の操船技術に合わせた航海計画を立てる。
・夜間の航行はできるだけ避ける。
・2隻以上のグループ航行を心がける。
・航行する水域を良く知っておく。
・万一の避難方法を考えておく。
・「いつ、だれと、どこへ」を家族・マリーナへ届けましょう。

●気象・海象情報のチェック
 今、天気が良くても刻々と変化します。先を見越した天候を知っておく必要があります。

●観天望気
 雲行きや風、今の空模様により、移り変わる天候を予想する方法があります。

●体調に注意
 乗員全員の体調が良好か確認しましょう。

●法定安全備品
 法定安全備品を出港前にチェックし、いつでも使えるよう、整理・整頓して積み込んでおきます。

●法定書類
(1)海技免状
(2)船舶検査証書、船舶検査手帳

●携帯品
(1)海図
(2)航路案内書
(3)航海計器類
  作動確認し取り扱い説明書を常備しましょう
(4)船体・機関の取り扱い説明書
(5)無線機、船舶電話、携帯電話、ラジオ

●給油
 出港前に燃料残量を確認し、必ず満タンにします。

●船体の点検
・船体各部の損傷はないか。
・船内に水はたまっていないか。
・燃料もれはないか。
・船体各備品の作動は良いか。

●機関
1.機関始動前点検
(1)機関を始動させてもエンジン近辺に危険はないか。
(2)燃料、冷却水のコックは開いているか。
(3)機関、エンジン、クラッチ共に潤滑油は充分入っているか。
(4)排気出口の近くは異常はないか。
(5)プロペラ近くは異常はないか。

3.機関始動点検

(1)エンジンを始動して暖機運転しながら、各部をもう一度点検します。
(2)水温、圧力、モニターを確認して異常はないか。
(3)冷却水は船外へ勢いよく出ているか。

4.出航と航行

●航海計器を正しく使う
 事前のセットを忘れずに済ませておきます。港を遠く離れる場合はGPSとコンパスを併用しましょう。

●状況判断
 潮流、干満、潮、風向き、霧、周囲の状況に常に注意します。

●見張りが大事
 前後左右に常に細心の注意を払いましょう。

●自分の船の能力を知る
 どのくらいで止まるのか、曲がれるのかを知っておくことは危険回避のために大切です。

●天候の変化に注意
 風向きの変化や雲の様子、波の程度は天候を知る手がかりです。

●悪天候にはすばやく対応
 怪しいなと思ったら「逃げるが勝ち」がセーフティボーティングの基本です。

●ライフジャケット(救命胴衣)の着用
 可能な限り救命胴衣は着用しましょう。特に子供や、遊泳できない人は常時着用を行ってください。

5.投錨

●アンカーロープの長さ
 使用する水深の5?7倍の長さのアンカーロープが目安です。

●アンカーを打つ場所
 泊地を充分観察し、風や波、海底の状態を確認します。潮が引いても十分な喫水が確保できることも重要です。

●アンカーの打ち方
 風下から投錨する位置まで近づいて、まずロープの端を固定し、アンカーを船首から下げます。水深の5?7倍のロープを繰り出したら固定し、アンカーの効きを確認します。
アンカーが岩場に噛み、外れない場合があります。万一を考え、アンカーそのものに引揚げ用の水深分の長さのロープ(先端に浮子のついた、細めの強度のあるもの)を取付けておきましょう。

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6.緊急時の対応

●落水した場合の処置
・誰かが落水した時は、とっさに落水者側にハンドルを切り、プロペラを落水者から遠ざけるように操作します。
・「落水者発生」と叫び、全員に急を知らせます。
・落水者は2人以上で見張ります。特に夜間は懐中電灯等の照明を使用する事が必要です。
・落水者を発見したら、ライフリング(救命浮環)を届くように投げます。
・救助の時、ボートは落水者の位置まで引き返して、風下側から波を立てないように近づき、船首から船腹の間で落水者をしっかりとつかみ船上へ引き上げます。
・落水者を引き上げる時は、安全のために必ず機関を停止します。

●火災が発生した場合の処置
・火災になったら「火事だ」と大声で叫び、全員に知らせます。
・次いで機関を停止させます。停止前に漂流方向、船位を確めておきましょう。
・火災が発生した場合、躊躇せず消火器を取り出し、直ちに消火を行います。
・可能な限り燃料等の元栓を閉めます。
・消火器による初期消火に失敗した場合、また消火不可の場合は、救命胴衣を着用する等準備し、避難します。

●転覆した場合の処置
・全ての乗員の安否を大声で確認します(転覆船の内部や下側に残っていないか等)。
・母船が浮いている場合は、母船から離れてはなりません。
・母船が沈む場合は、母船から離れるようにします。そして破片等浮力のあるものを集めて浮き具にします。
・絶対に泳がないこと。泳ぐことは余分な体力の消耗になります。

● 衝突した場合の処置
・怪我人が発生していないか直ちに調査します。
・船体に損傷個所が無いか、水漏れ個所が無いか等を急いで調査します。
・機関、操縦装置、プロペラ等に損傷が無いか、燃料漏れが無いか、航行可能かどうか調査します。
・もし船底の損傷個所が、相手船や乗り上げた暗礁等で塞がれていて、多量の浸水が認められている状況にある場合は、離船・離礁を急がないで救助を呼ぶようにします。
・自走出来ない場合は直ちに連絡をとり救助を待ちます。

● 曳航
・曳航船は曳航索を準備します。強度と長さは被曳航船に見合った索を選びます(長さの目安は曳航船の長さと被曳航船の長さとの和の3倍以上とする)。
・曳航船は船尾幅の3倍長以上の索を船尾の両舷のクリートやビットに繋ぎ、その中央に曳航索を結ぶように準備します。
・被曳航船への結索は船体中心線上の丈夫なクリートやビット等とします。手摺やパルピット類に結索すると船体が破損することがあります。
・被曳航船にも操船者が乗船して操船し曳航されることが必要です。

● 救助を求める
 遭難の信号を発信して無事救助されるまでの過程では、遭難信号が受信されることの困難さ、遭難現場が発見されることの困難さ、現場で救助されることの困難さ、の三難が伴います。ボートで海上に出た場合、常に自船の位置を確認しておく習慣が大事です。
・海の事件・事故などの緊急通報は「118」番に通報しましょう。
・携帯電話・船舶電話等の電話を使用して、海上保安部・署、マリーナ等へ事故発生と事故の様子、自船の位置を正確に連絡します。
・事故の際は近くを通る船に、旗や腕を振って知らせます。いち早く発見してもらうためには、衣類、懐中電灯等あらゆる物を使って、早く他の人・船に知らせる事が必要です。
・近隣船に対しては、左右に伸ばした腕を、繰り返しゆっくり上下させる動作を行って知らせます。
・また、同様に、炎火信号へ点火して救援を求めます。信号紅炎(赤色の手持ち火炎による信号)、及び発煙浮信号(オレンジ色の煙を発する信号)を使用します。

7.帰港・着岸後の保守・点検

● 機関の停止と点検
(1)すぐに機関を停止せず、2?3分間冷機運転しましょう。
(2)機関各部の水・オイル・燃料・排ガスの漏れはないかよく確認しましょう。
・バルブ類
・スイッチ・ブレーカー類
・船体排水関係

8.日常の保守・点検と整備並びに保管

● 船体の保守・点検
 ボートシーズンが始まる前やシーズンが終わってボートを格納する時には、念入りにボートの保守・点検をしたいものです。
(1)FRP船
 ヘアークラック、当て傷、層間剥離、表面の腫れ等々のチェックならびにゲルコート(表面被覆)の点検を行ない、不良箇所が見えたら早目に補修しておきましょう。
(2)木造船
 腐敗、損傷、陸上保管艇にあっては木の乾燥のチェックを行ないましょう。
(3)アルミ船
 白い粉状の斑点は劣化のサイン。サンドペーパーをかけアルミ専用の補修剤で塗装することが必要です。

● エンジンの保守・点検
 エンジンは全体を清潔にしておくことと、オイルの量の点検と定期交換が重要です。取扱説明書をよく読み、異常を感じた時は必ず専門業者に連絡して下さい。

● 機器・備品類の保守・点検
 機器・備品類の保守・点検もお忘れなく。バッテリー、航海灯をはじめ、備品では索、錨索、安全装置、救命胴衣等。ナット、ボルト、ホース、クランプ等が外れたり緩んだりしていませんか。

● 保管
(1)冬季保管
 覆いをかけて保管する場合、ボートを密封せず十分に通気性を確保し、かび、乾燥、腐食を防ぐことがポイントです。尚、小型で軽いオープンデッキのボートなどは、屋外では雪や雨が入らないように上下裏返したり、排水を可能にするためブロックなどの上に置き、地面から離す工夫をして下さい。
機関内の冷却水には凍結防止剤を忘れずに入れておきましょう。海水系統は海水を完全に抜いておきましょう。
(2)陸上保管
 船底の形状と台車をしっかり合わせ、ビルジや雨水の流れを容易にするため、船底のドレンプラグを外し船首を上げておきましょう。
(3)係留保管
 ボートカバー、燃料タンクならびにエンジンの点検・整備を行なうほか、下記の点に留意して下さい。
・フェンダーを適宜吊り下げて船体の損傷を防ぎましょう。
・波や潮位の変化を見込んで、係留ロープはたるみを持たせておきましょう。
・定期的にエンジンを数分間運転することを心掛けましょう。
 また、長期間使用しない場合は、バッテリーの自然放電を極力少なくする為、端子をはずすかバッテリー自体を屋内保管にしましょう。

◎船の備え付けの取扱説明書をよく読み、安全に楽しく走航しましょう。

 

 
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